高山 福島第1原発では現場では今まで味わったことのない恐怖感を感じました。我々の出動する現場は、火災や交通事故など騒然としているところが多い。普通の現場では火災が強いところなどを確認して、自分たちで危険を排除して突入できますが、今回は危険な場所が目に見えない。放射能という見えない敵と戦わざるを得ませんでした。夜中で人っ子一人いなくて妙に静かで、不気味な現場でした。
焦る気持ちを抑え、落ち着いて
事前に内部被曝の恐ろしさも知っていました。東海村JCO臨界事故で被曝した作業員の担当医師から、その症状を聞いたことがあります。はじめは何ともなかった作業員が、菌に抵抗できず口内炎だらけになっていって全身が蝕まれていく様子も事細かに知っていた。
だから、今回の作業で最も難しかったのは、隊員の精神面をケアすることです。見えない敵を前に隊員が急いで作業をして、怒鳴り合う場面もありましたが、もし私が怒鳴ってしまったら部隊ががさらにザワザワしてしまう。内心は私も「早くしろ」と思っていましたが、あえてどっしり構えて、部隊を落ち着かせるようにしました。
夜中の活動で見えないところもあったから、無線を通して落ち着いた口調で話すことを心がけました。今回とは逆に、隊員の動きが悪かった場合は隊長が活を入れる場合もあります。現場の様子次第で臨機応変に対応します
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─情報元:日経ビジネスオンラインサイト様─