東日本大震災の被災地では、ライフラインの1つである水道が今でも使用できないところが多い。地震の大きな揺れで水道管自体が破断して配水が止まっただけではない。蛇口から水が出ても、福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故の影響で、放射性物質の濃度が通常より高い例もある。
被災者が日常的に使える水が少なくなれば、衛生面が脅かされる。工業用水が枯渇するようだと、復興に向けた企業活動の遅れにもつながりかねない。そうした中で改めて注目されるのが地下水の利用だが、取水には安全性を十分に考慮する必要がある。
分水嶺と規制区域の境界がほぼ一致
産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の地下水研究グループは今回の大震災を受け、原発の放射能漏れ問題を抱える福島県を中心に、普段は人の目に触れることのない地下水の流れ方をシミュレーションした。
地下水の流れも、河川などと同様に地形の高いところから低い方へ流れる。福島原発を中心に考えた場合、阿武隈高地から太平洋に向けて傾斜があるため、地下水の多くは海の方向へ流れていくわけだ。
福島原発は海岸付近に位置しているうえ、建設地盤の段丘堆積物の中を地下水が透過する速さは1日当たり1センチメートルと、さらに深い地層よりも相対的に速いという。このため、原発施設に近く、大気中の放射性物質の濃度が高い地域の地下水の放射能汚染が広域まで広がる可能性は低いという
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─情報元:日経ビジネスオンラインサイト様─