2011年12月9日金曜日

きれいごとで情報は集められないが…=受け手は「オフレコ」で情報の歪む可能性に注意を - 石井 孝明



★個人的な感想は・・・琉球新報の記者の行動はちょっと常識を疑う

記者から見た手段としての「オフレコ」

オフレコというメディアの業界用語が、頻繁にニュースに登場する。この言葉は受け止める人によって意味が違うが、「取材者と公表しないという約束の下で教えられた情報」と、定義しよう。どの国にもあるようだが、日本では多用されることに問題がある。
私は優秀ではないが経済畑の記者で、企業、経済関係官庁・団体を取材してきた。このエッセイでは「内輪ネタ」かもしれないが、記者の行動様式を紹介しながら、オフレコを含めてメディア情報への適切な向き合い方を考えたい。
11月28日夜、田中聡沖縄防衛局長(当時)が、飲み屋での複数の記者とのオフレコ懇談で、米海兵隊の普天間飛行場の移設先の環境影響評価書の提出時期を明らかにしないことに関し「これから犯す前に、犯しますよと言いますか」という発言をしたことを、翌29日の琉球新報が報じた。同局長は解任された。

琉球新報のオフレコ報道への戸惑い
田中氏の発言は大変に不快で、仮に事実とした場合には、書くべきであったと思う。ただし同時に琉球新報の行為を全面的に肯定できない戸惑いを私は抱く。
理由の第1は、事実関係が曖昧なためだ。品のない引用で恐縮だが、田中氏の防衛省での聴取結果は報道事実と異なる。「懇談で、「やる」という言葉を使ったが、これは評価書を提出することを言ったつもりで、少なくとも「犯す」という言葉を使った記憶はない」(要約)。他紙を見ると「犯す」などの発言を、直接聞いた記者は琉球新報以外にいないようだ。
理由の第2は、職業上の慣習のためだ。オフレコを報道する場合には同席した各社に連絡する慣習があるようだが、今回はその形跡はない。読者の方には「おかしな慣習」に見えるかもしれないが、努力ではなく「抜け駆け」で目立つことは、メディア業界の末席にいるものとして違和感を抱く。

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─情報元: 石井 孝明(アゴラ) - BLOGOS(ブロゴス)サイト様─