2012年1月14日土曜日

2011年の最後にソーシャルメディア(マーケティング)について考える


「ソーシャルメディア」と呼ばれるものの正確な定義はむずかしいですね。この言葉がある程度定着したいまでも、曖昧なままいろんな人がいろんな解釈で語っています。広義や狭義など取り上げる範囲もさまざまですし、内包される(だろう)サービスもどんどん出てくるため、厳密に定義することがむずかしいのも事実です。ただ、この基本概念となる「ソーシャル」についてと、ソーシャルメディアが従来のネットコミュニティやWeb2.0ブームの頃に語られた「CGM」とどうちがうのかについては、正しく理解しておくべきだと思います。
また、そのソーシャルメディアをマーケティングに活用するということはどういうことなのかについても、いまこのタイミングでしっかり考えてみましょう。
なお、「ソーシャル」を「社会」とか「社交的」とかむりやり和訳するのはぼくは反対です。英語が苦手なぼくですが、ここは「ソーシャル」のまま解釈するべきだと思いますし、下手にいいかえないほうがより正確につかむことができるはずです。なので以下はソーシャルはソーシャルとして話を進めます。
ソーシャル的なサービスは昔からあった

まず、ソーシャルのキモは人間同士のつながりです。
ソーシャルメディアの特徴は、そこに参加する個々人を特定し、かつ認識できるという点にあります。つまり「IDの担保」です。利用者のIDが担保されているからフォローしたりマイミクになったりできるわけですね。またそのIDがただの識別子ではなく、それに付随するある程度の情報を持っているため、その人がどういう人かわかった上で付き合えるということがソーシャルを成立させる要素となっています。
少し詳しく書きます。
IDを「特定できること」と「認識できること」は別です。もうずっと前からオンラインでのコミュニケーションにおいてIDの特定はできました。パソコン通信時代のNIFTY-ServeでもIDは存在しましたし、それこそ匿名掲示板といわれている2chでも個々の発言のIDは特定できます。だけどそれは英数字の羅列で表記されていたので、お互いのIDを記憶することもなければ、IDだけで誰かを想起できることはまずありませんでした。つまりこれはシステム的な識別子ではあったものの、人間同士のやり取りではほとんど活用されていませんでした。
そこでハンドルネームと呼ばれる「通り名」を使うことで、お互いを認識して会話するようになるのですが、初期のmixi(やSNSと呼ばれるサービス)がNIFTY-Serveに酷似していたのは、ソーシャルの基本部分はパソコン通信時代から変わってないからだともいえます。もっともパソコン通信の時代は各社のサービスを足しあわせても数百万人程度の利用者しかいなかったので、現在のように身近にいる利用者を探すのが容易ではありませんでした。この規模の大小がもっとも大きなちがいといえるでしょう。
余談ですが、mixiは数字のIDを使い、ツイッターなどの後発のSNSはアカウント名を自由に取得できるようになったのも時代のニーズだとぼくは思います。もっともそのために企業はドメインのように自社名のアカウントを押さえる必要が出てきたり、なりすましなどの問題も起きやすくなったのですが。
IDにひもづく情報は名前だけではありません。プロフィール画像はパソコン通信にはなかったものですが、この画像によって個人の認識はかなり容易になりました。異なるサービスであってもアカウント名や画像が同じというだけで、同一人物と認識できるわけですからね(同時にアイコンを変えただけで気付かれなくなることもありますね)。
さらに趣味や出身地、勤務先などのプロフィール情報が登録されることで、その人の背景がより詳細にわかるようになります。だからぼくたちは「発言がおもしろそう」という理由だけでなく、「同じ野球チームが好き」とか「同じ地元出身」とかの共通点を見つけては、その人とつながるきっかけにしているわけですね。

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─情報元:マーケティングis.jpサイト様─