2012年1月26日木曜日

「時代の顔をアーカイブする」――Google、被災地を走ったストリートビュー撮影秘話


Googleのストリートビュー撮影車が昨夏から約半年間、東北を駆け抜けた。ハンドルを握ったのは地元出身のドライバーたち。車体には「がんばろう東北」と書かれた特製ステッカーを掲げた。行く先々で励ましの声を掛けられ、時には被災者からお菓子やコーヒーが差し入れられたという。

 走行距離はのべ4万4000キロ。撮影した写真は昨年12月、Google マップと特設サイト「未来へのキオク」で公開した。実際に内陸部から海岸へストリートビューをたどると、がれきの山が増え、何もない大地へと変わっていく。地震と津波の被害の大きさ、広がりが見てとれる。

 東北での撮影に際して地元自治体との交渉を担当した、Google日本法人戦略事業開発本部ストラテジックパートナーデベロップメントマネージャーの村井説人さんは「防災は震災を知ることから」と話す。記録による支援――Googleにしかできないプロジェクトは今、走り始めたばかりだ。

●「記憶に残しておくべき状況は今」と決断

 東北で震災後の街並みを撮影するアイデアは、Google内でかなり早い段階から検討されていた。だが、さまざまな人の感情に配慮し、一旦は議論をストップ。災害関連情報を集めた特設サイト「Google Crisis Response」を始め「ほかにやるべきことにフォーカスしていった」と村井さんは振り返る。

 Crisis Responseを担当する1人として震災から2週間後に現地入りした村井さんは、地元の商工会やNPOと話すなかで「Googleマップで今の街並みを残してほしい」という声を何度も聞いた。被災地は広い。「現場の悲惨さを一生懸命伝えようとするが、テレビで瞬間を映すだけでは伝えきれない部分がある。ストリートビューで補完できれば」と語るメディア関係者もいた。だが、住民の反応などリサーチしきれていない部分が多く「慎重にやるべき」と、検討を継続することにした。

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http://news.livedoor.com/article/detail/6216677/
─情報元:ねとらぼサイト様─