2012年4月22日日曜日

てんかん患者からの免許はく奪はより深い意味を持つ


ちょうど一年前、私はてんかん患者の社会的地位についてなぜ彼はクレーンに乗らなくてはならなかったのか - Thirのノートにて記した。

そして今回の事件においては、てんかん患者への運転免許取得規制が本格的に議論されようとしている。はっきり言って、私はこの規制に断固反対である。それが事件の被害者を侮蔑した行為であるとののしられてもまったく構わない。というのも、免許規制はてんかん患者にとって単なる「運転ができなくなる」以上の意味を持っており、それは彼らの社会的地位をさらに差別に晒すものであることは間違いないためである。

なお、てんかんと免許の「安全性」については、先のクレーン事故と織り交ぜて語られているてんかん報道(特に、報道関係者のかたへ)|てんかん(癲癇)と生きるに詳しい。

「クローズ」——仮面をかぶる生き方
てんかんに限らず、慢性精神疾患やエイズなど告知によって差別・偏見を受ける疾患は多数存在する。そういった疾患を持つ者は、多くの場面において自らが病気であることを自分から話さない。それは、就職の際にも同様である。告知せずに就職をし、雇用主からクリティカルな質問を受けない限りは病気を隠し続ける——これが「クローズ」(クローズド)という生き方である。

この「クローズ」なる単語はネットスラングではない。医師やソーシャルワーカーなども使用する単語であり、このような単語が存在している事実が、まさに病が就職において忌避される要因であることを物語っている。キャリアカウンセラーやソーシャルワーカーは、正社員雇用を目指す場合にはクローズにしたほうがよいと現在でも「指導」している。

社会的偏見や差別により、患者は病気の事実を隠して就職することを強要されている。別に、自ら積極的に隠したいわけではない。隠さなくては多くの企業から雇ってもらえないのだ。なお、障害年金や生活保護等の公的支援は使い物にならないことに関しては、前述の記事にて記載している。

「クローズ」という生き方、これはまさに「仮面をかぶって生きる」ということである。そう、「健常者」という「仮面」をかぶらなくては、この社会では生きていくことができないのだ。

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