ネコの寄生虫で、人が精神病に
寄生性原生生物のトキソプラズマ原虫は単細胞生物で、通常、ネコの腸内で繁殖する。この寄生虫が健常成人に感染しても大きな害を及ぼさないと考えられていたが、人の行動に影響を及ぼすと取りざたされるようになった。
ネコのフンからトキソプラズマに感染すると、一部の女性で自殺リスクが高まると指摘した研究発表が最近メディアをにぎわせた。
トキソプラズマの原虫はネコのフンとともに体外に出て、別の宿主(通常はネズミなどのげっ歯類)に感染する。そしてネズミの脳や筋肉細胞で無性生殖を開始し、やがてはネズミの脳を操作するようになる。つまり、ネコから逃げるのではなく、そのフンの匂いにふらふらと吸い寄せられていくように変えてしまう。
米疾病予防センターの推定よると、米国だけでも6000万人がトキソプラズマに感染している。
トキソプラズマ原虫がネズミに行ったと同じような脳の操作を、ネコを飼う女性の脳にも施しているという考えは、強固な証拠は得られていないが、あながち馬鹿げてるとはいえないかもしれない。
魚を自殺させるユーハプロルキス
吸虫の一種、ユーハプロルキスは、鳥類、巻貝、魚類の順に寄生していくが、ライフサイクルを繰り返すには、また鳥類の口に入らなければならない。この役割をメダカの仲間でカダヤシの一種、カリフォルニアカダヤシが担う。カダヤシの体内に侵入したユーハプロルキスは、神経を操作し、危険察知の感覚を失わせるのだという。
寄生されたカダヤシは、その泳ぎがジグザグになる、水面近くで腹を見せる、また、水面に突進するなどという不規則な行動をとることが多くなり、その割合は寄生されていないカダヤシの4倍だという。この不規則な行動により、鳥類に捕食される確率が30倍に跳ね上がっていることが分かった。つまり、ユーハプロルキスは寄生する最初の鳥類に戻るため、カダヤシを自殺させているのだ。
ユーハプロルキスは宿主の脳内報酬回路に作用し、おそらく神経伝達物質のドーパミン、セロトニンを操作するものと考えられる。
だが、この寄生虫と魚との関係について研究を行ったカリフォルニア大学サンタバーバラ校のジェニー・ショー氏は「このメカニズムを説明するにはそれだけでは足りない。免疫系や神経内分泌系など他にも多くの生理学的システムが関与すると思われる」と述べ、解明には時間がかかるとしている。
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http://news.livedoor.com/article/detail/6781702/
─情報元:IBTimesサイト様─