この社長は、北新地で情報サービスや飲食店経営を手掛ける「KIC」社長の今井利充さん(64)。不況下の日本での商売にある程度見切りをつけ、平成16年、中国江蘇省の無錫(むしゃく)に「胡蝶(こちょう)」という日本料理店をオープンさせた。
無錫は上海に近い内陸の工業地帯で、日本をはじめ多くの海外企業が進出。駐在の日本人ビジネスマンも多く、日本料理の店も市内に60軒ほどあった。
ところがほとんどが中国人の経営で、米や調味料、調理の仕方が悪く、現地の日本人に言わせれば「味は最低」。そのことを知人の企業関係者から聞いた今井さんは実際に現地を視察し、「日本の本当の味を提供すれば、十分商売になる」と確信、市の中心部に店をオープンさせた。
店はテーブル席を中心に70~80席。日本人スタッフ2人と中国人の従業員20人弱で始め、カレーグラタンやハンバーグ、トリの唐揚げ、サシミなどの和洋食を提供。母国の懐かしい味を求めてくる現地駐在の日本人ビジネスマンらで連日にぎわった。
ところが、中国での商売や生活は一筋縄ではいかなかった。日本では考えられないようなことが平然と起き、「毎日がカルチャーショック」。
最初に洗礼を浴びたのはオープン前年、視察に訪れたときだった。深夜、空路到着した上海浦東国際空港で無錫行きのバスを待っていると、一台のタクシーが近付いてきた。そして運転手がこう言う。「無錫行きのバスは途中で事故を起こした。タクシーで行くしかないからこれに乗れ」。初めての中国。不安になりながら乗ったものかどうか迷っていると、そのうちに当のバスが何事もなく入ってきた。
すぐにウソをつかれたと分かった。ところがその運転手、バツが悪そうな表情をするのかと思いきや、平気な顔。他人をだましても当然、自分は悪くない…という態度は、その後、中国で暮らして嫌と言うほど見せつけられた。
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─情報元:産経新聞サイト様─