2013年5月8日水曜日

山ガール、地底へ 「ケイビング」ツアー人気に


「野生のコウモリやきれいな鍾乳石を見ることができて、ハマリました。ガイドさんがいるので安心です」。4月、群馬県上野村でのケイビングツアーに参加した東京都在住の女性(38)は、予想もしていなかった地底世界の奥深い美しさに魅入られた。

 ツアーを催行するジャグスポーツ!(群馬県みなかみ町)は年間500人ほどを同社が地主から借りている洞窟に案内している。装備や保険料、温泉入浴料などを含む1日コースで料金は1万1000円。ガイド1人が8~10人を案内する。最近は問い合わせが増えており、ゴールデンウイークや夏休みは予約で埋まる日もあるという。

 参加者は20~30歳代の女性グループが多い。おそろいのオレンジ色のつなぎとヘルメット、ヘッドライトを着用。「みんなでレスキュー隊のような格好をして洞窟の迷路に入っていくと、テンションが上がり、チームとしての連帯感が出てくる」(同社)というのも、女性人気の一因のようだ。

ケイビング人気の高まりで、とりわけ脚光を浴びているのが鹿児島県の沖永良部島だ。カルスト地形で洞窟が多い同島は2011年に沖永良部島ケイビング協会を設立し、一般向けのケイビングツアーを始めた。全長10キロに及ぶ「大山水鏡洞」のうち、鍾乳石が段々畑のように積み重なり、そこに地下水が流れる「リムストーンケイブ」の景観を楽しむコースだ。

 ガイドが地下水に水中ライトを入れると、水面が淡いブルーやグリーンになり、神秘的な光景が演出される。ここでも参加者の中心は20~30歳代の女性グループ。「ダイビングや登山などを趣味にしている人が多い」(同協会)といい、多い月には50人ほどがツアーに参加する。

 暗闇でルートを見失いやすく、携帯電話も通じないケイビングは、専門ガイドがいなければ危険が大きい。11年に設立されたケイビングツアーの業界団体、日本ケイビング協会(愛知県一宮市)は、自然のままの洞窟を安全に案内したり、地質や鉱物について解説したりできる専門ガイドを養成する講習を実施しており、これまでに25人が認定された。

 同協会の吉田勝次会長は「日本にも一般の人が入っていない美しい鍾乳洞はたくさんある。ガイド同士の横のつながりができれば情報も多くなり、米国のようにツアーが盛んになるのではないか」とみている。

 同協会は、泥のついた手で鍾乳石を触らない、みだりに鍾乳石を踏まないよう同じルートを歩く、といった環境保全マナーの普及にも取り組んでいる。

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http://www.nikkei.com/article/DGXNASFE2602G_W3A420C1000000/
─情報元:日本経済新聞サイト様─