クラウドストレージサービス「Bitcasa」 は8月28日、日本市場への本格参入を発表した。ローカル上のデータをクラウド経由で同期させる形ではなく、プライマリーストレージとしてクラウド上に置く仕組みのため、ローカルドライブの容量に左右されず“容量無制限のHDD”として利用できるのが特徴だ。10Gバイト以内は無料で利用でき、年間99ドルか月額10ドルの定額課金で容量が無制限になる。
日本市場への本格参入に当たり、ユーザーインタフェースの完全日本語化とネットワークを米国内向け並みに強化。日本の有料ユーザーは既に全有料ユーザーの12%を占め、米国に次ぐという。
運営する米Bitcasaは2011年に米国でサービスを開始したスタートアップ企業。有料ユーザーは140カ国以上に広がっており、世界中で30ペタバイトのデータを管理している。全ユーザー数は非公開だが、「有料ユーザー率は競合他社に比べても高い数値」という。
外付けHDDと同じ感覚
「Bitcasa」は、外付けHDDと同じ感覚で使えるクラウドストレージサービス。指定のフォルダにローカル環境と同じようにデータを保存すると、自動的にクラウド上にアップロードされる。PCからデータが離れる前にファイルは暗号化して保存される。
Dropboxなど競合他社と異なるのは、ローカルデータを同期するのではなく、最初からクラウド上に保存すること。これにより「容量が不足することが絶対にない」(プロダクトディレクターのルーク・ベンキさん)。現在、Windows版(8にも対応)、Mac版、モバイル版(iOS/Android)のアプリをそろえ、デバイスを問わずいつでもどこからでもアクセスすることができる。指定のローカルフォルダ内のデータに変更があった場合に自動でアップデートするミラーリング機能や、スマートフォンの写真を自動でアップロードする機能なども備える。
大きな特徴の1つはアップロードやストリーミング再生の速さ。ローカルキャッシュを利用した独自開発のストリーミング技術によって、大容量のファイルも高速に保存・アップロードできるとしている。音楽や映像はダウンロードしなくても各デバイスでストリーミング形式で見られる。家族や友人とのデータ共有も右クリックで閲覧用のURLをコピーするだけ。フルサイズの大量の写真でも、Webブラウザ上でアルバム形式で楽しめる。
プロダクトディレクターのルーク・ベンキさんは「音楽や映像をストリーミングで楽しむことが当たり前になったように、HDDに保存する行為が過去のものになる未来を確信している。容量制限や紛失のストレスに煩わされない快適さを、より多くの皆さんに知ってほしい」と世界規模でのシェア拡大に意気込んだ。
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─情報元:ITmedia ニュースサイト様─