国民生活センターは、石油暖房器具で使用する灯油が不良だった場合に、事故の原因となりうるとして警告を発している。
国民生活センターでは、消費者から寄せられた石油暖房器具の不調について、灯油の品質が一因ではないかと考えて、実験を行なった。
まず、長期保管によって性質が劣化した「変質灯油」を実験的に作成した。灯油専用ではない白いポリ容器に灯油を保存した場合は、約半月で変質が見られた。
一方、灯油専用の赤または青のポリ容器を使用した場合は、2カ月を経過しても変質しなかった。これは、白いポリ容器は紫外線透過率が高く、灯油が変質しやすいためという。
変質した灯油を石油ストーブで使用したところ、ストーブの芯にタールが付着した。これにより、着火できなくなったり、緊急消火ボタンを押しても芯が落ちなくて消火できないという不具合が発生した。
また、石油ファンヒーターで使用すると、点火できなくなったり、しばらく燃焼したあとで刺激臭のある煙が出るようになった。
同様に、水や異なる種類の油が混ざった「不純灯油」を使用した。石油ストーブでは、燃焼には問題はなかったが、内部が錆びたり芯が動かなくなるという不具合が発生した。
石油ファンヒーターでは、燃焼が不安定になりエラー表示が出たり、内部が錆びたりしたという。
国民生活センターでは消費者へのアドバイスとして、不良灯油は危険があるので、絶対に使用しないように呼びかけている。
また、灯油の保管は灯油専用の容器を使用して翌年へ灯油を持ち越さないこと、暖房器具を片付ける際には、灯油を使い切るか、灯油を抜いて保管することを呼びかけている。
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20131122_624749.html
─情報元: 家電Watchサイト様─