「世界で最も危険な樹」としてギネス記録を保持しているほどの威力を持つ恐ろしい木、マンチニールは西半球、特にフロリダ、バハマ、カリブ海に面した熱帯地方に生息するトウダイグサ科の樹木である。
その生息域には必ずと言っていいほどデカデカと真っ赤な警告のサインが建てられている。その危険さ故に、樹木を発見した場合直ちに数メートル程離れる事が推奨されているのだ。
成長すると高さ15メートルにもなるこの樹は、楕円形のツヤのある緑色の葉っぱを持っている。マンチニールは林檎に似た小振りの木の実をつけるのだが、この木の実が猛毒で、もし間違って食べてしまったら病院行きは免れないだろう。探検家クリストファー・コロンブスはこの木の実を「毒林檎」「死のリンゴ」等と表現した程だ。
放射線医学顧問のニコラ・ストリックランドはイギリス医師会雑誌で自らがトバゴ共和国(カリブ海の島の一つ)を旅行中に、誤ってマンチニールの実を食べてしまった事をこう語っている。
「海辺の砂浜を歩いていたらココナッツやマンゴーに紛れて、緑色の丸い木の実を見つけました。私と友人はその果物を一口齧ると、たちまち甘い、心地よい味わいが口の中に広がりました。しかし数分後、口の中全体が違和感に包まれ、徐々に燃えるような痛みと共に喉が締め上げられる感覚を覚えました。」
ニコラ氏の症状は2時間後ピークに達し、何も口にできない程の痛みが口や喉を支配し、痛みが完全に消え去るまで8時間も掛かったそうだ。
しかし、木の実だけがこの樹の恐ろしい所ではない。
マンチニールの樹液や葉液は常に樹の表面に多少なりとも滲み出ている。この液体が一滴でも皮膚に触れると、たちまち触れた部位は燃えるような感覚に襲われ赤い、水ぶくれのように腫れ上がるそうだ。
これらの症状はマンチニールの樹の下で雨宿りをしようとした観光客によく見られるようで、葉を伝った雨水が皮膚に降り注ぐと、その中に混ざり合った微量の樹液の成分が身体を痛めつけるのだ。
また樹皮も猛毒を含んでおり、マンチニールを燃やす事で生じる煙が少しでも目に付着してしまった場合、最悪失明に至る事もあるという。
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─情報元:カラパイアサイト様─