心筋梗塞は何の前ぶれもなく突然起こると考えられがちですが、実は心筋梗塞を起こす前には様々な前兆となる症状が現れていることが多いのです。その前兆を見逃さないことが心筋梗塞の予防につながります。心筋梗塞の前兆についてご紹介します。
心筋梗塞がいつ起こるか分からない理由
人は心臓が動かなくなると死んでしまうので、心臓は最も重要な臓器と言えます。少々問題が生じても、それをカバーして血流がとまらないように巧みに血管網が張り巡らされています。
また、心臓の血管が詰まり始めても支障がないように、余裕を持って冠動脈の大きさなどが設計されています。血管にコレステロールが溜まり始めても、何の自覚症状もなく、いつもと変わらず心臓は動き続けます。
しかし、動脈硬化が進み冠動脈の中が7割くらいまで詰まると、ようやく血流が良くないという何らかのサインが生じます。その時に生じる症状を見逃してしまうと、あっという間に動脈が完全に塞がり心筋梗塞を起こしてしまうのです。
心筋梗塞の前兆となる症状を見逃すな!
心筋梗塞の前兆として現れる症状で最も多いのは、左肩の肩こりです。日本人は肩こり民族と言われるくらい世界的に見ても肩こりが多いとされていますが、慢性的な肩こりや、一時的な疲労による肩こりは、ふつうに考えると両肩に同じようにコリが生じるはずです。
しかし、心筋梗塞の場合は、左肩だけに痛みを感じる症状がでます。左肩にだけ強い肩こりの症状を感じる場合には、心筋梗塞の前兆だということが多いのです。
心臓に何らかの異常が生じても、その部分には痛みを感じず、そこから別の神経の経路をたどって痛みを感じることを遠隔痛といいます。この左肩の痛みは、心臓の遠隔痛であることが多いのです。
マッサージなどをしても肩のこりや痛みが治まらない場合は、心筋梗塞の前兆である可能性が高く、仮にそうでなくでも他の内臓の疾患によるものかもしれませんので、健康診断や人間ドックなどの検査を受けることをお奨めします。
また、耳たぶにシワができるというのも動脈硬化の前兆であることが多い症状です。
動脈硬化が進むと末梢の血液の循環が悪くなります。耳たぶは、もともと血流の多い部分ではないため、耳たぶの血流が動脈硬化のために、さらに悪化すると、耳たぶには、ほとんど栄養が行き届かなくなり、皮膚が萎縮して耳たぶにシワができるのです。
耳たぶにシワのある人が心筋梗塞で死亡する件数は、シワの無い人の3倍以上という統計もあります。普段から鏡を見るときには、耳たぶの状態を観察するようにしましょう。
また、虫歯でもないのに奥歯が痛くなったり、耳からあごにかけて締め付けられるような痛みや、顔が引きつる症状が現れることがあります。高齢者の場合は胃のあたりに強い灼熱感を感じることも多くあります。
そのほかに多い前兆としては動悸の多発です。心拍が早く強くなるような状態が断続的に続きます。お酒を飲んだときや運動をしたときなどに動悸が起こることが多いのですが、一時的なものか心臓の異常によるものかは、まだ分かりません。
しかし、断続的な動悸が繰り返し起こる場合は、心筋梗塞の前兆である疑いが強いと考えて、できる限り早く処置をすることが必要です。
また、健康診断を定期的に受けることで動脈硬化の状態を知ることもできます。仕事の都合などで健康診断を受けていないのであれば、何とか都合をつけてでも検査をすることをお奨めします。
いずれにしましても、こうした心筋梗塞の前兆に気づいたら、決して放っておかず、死の前ぶれだ、と思うくらいの命の危機意識を持ち、安易な自己判断はせず、かかりつけ医などに相談することが大切です。
─情報元:健康生活サイト様─