最近、美容に対する意識は男女を問わず高まっています。ところが、美容に関する多くの情報は誤っていると、11月に『肌のきれいな人がやっていることいないこと』(あさ出版)を上梓したすがわら皮膚科クリニック副院長の菅原由香子氏は警鐘を鳴らしています。
今回は、著者の菅原氏に
・肌のシミを消す方法
・スキンケアの留意点
・洗顔料や化粧水の選び方
・スキンケアの留意点
・洗顔料や化粧水の選び方
などについて話を聞きました。
●お金をかけなくてもシミは消せる
--肌の悩みでは、どのような相談が多いのでしょうか?
菅原由香子氏(以下、菅原) 男女を問わず、顔のシミに関する相談が多いです。シミがあると老けて見えますから、気になるのだと思います。一口にシミといっても原因はさまざまで、肌の老化によるもの、紫外線に当たりできたもの、ケガやニキビのあとにできたもの、そばかすなどがあります。
美容皮膚科で受診して、美白効果のある薬を使用したり、レーザーを当てたりすることでシミはきれいになりますが、高額なお金がかかります。実は、お金をかけずにシミを消す方法があるのです。
--それは、どのような方法ですか?
菅原 すべてのシミは、肌を刺激することで濃くなり、刺激を与えなければ薄くなります。肌に刺激が加わると、その刺激から肌を守ろうと色素細胞が働いてメラニン色素がつくられ、それがくすみやシミの原因になるのです。洗顔の際にゴシゴシとこすっている人は多いのではないでしょうか。また、化粧水を塗るときにコットンですったり、手でバチバチ叩いたり、乳液やクリームをすり込んでいないでしょうか。
私の経験上、99.9%の人が、肌によくない刺激を与えるスキンケアをしています。つまり1000人のうち999人は、スキンケアで自らシミをつくり出しているのです。私は美容皮膚科医ですから、求められればレーザーでシミを除去する治療をしていますが、最も力を入れているのは、正しいスキンケアの方法を教えることです。
--正しいスキンケアでシミが消えない人は、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか?
菅原 そのような方は「肌と体に、いらないものを与えている」のです。世の中には、健康を害する食べ物や肌荒れの原因をつくる化粧品など、数多くの好ましくない商品があります。例えば化粧品では、配合する有効成分を超微粒子にして、肌の中に入れ込もうとする技術が進み、肌が本来持つバリア機能を無視した化粧品が多くなっています。合成界面活性剤、防腐剤、着色料、香料、合成ポリマーなど、さまざまな化学物質が配合されています。それらの基準値は厚生労働省が定めていますが、量によっては体に悪影響を及ぼすからこそ基準値を定める必要があるのです。
2001年4月から、化粧品に使われている原材料すべての成分を表示することが義務付けられましたが、実際に成分を理解して購入している人は少ないと思います。有名メーカーがつくっているから大丈夫と信じ込み、有害な物質をお肌に塗り込んでいる場合が多いのです。自分の健康を守るためにも、使用するものは自分で選んで判断するべきです。
--なぜ化粧品には、多くの化学物質が配合されているのでしょうか?
菅原 理由は大きく分けて3つあります。まず、使い勝手を良くするためです。次に長持ちさせるため、そして安価に大量生産するためです。突き詰めれば、「肌の手入れや化粧を簡単に済ませたい」「取り扱いはラクなものがいい」「長持ちする製品がいい」といった消費者の要求と企業の利益が一致して、有害な化粧品が製造されてきたのです。
「体に害を与えるものを売っている」と怒るのは簡単ですが、その責任の一端は私たちにもあるのです。消費者が化粧品の真実を知り、有害な商品の購入を控えなければ、今後も害をなす化粧品は蔓延する一方でしょう。
●クレンジング剤は食器用洗剤と同じ
--具体的には、どのような害があるのでしょうか
菅原 もし「メイク落としに食器用洗剤を使ってください」と言われたら、どのように思うでしょうか。実は、クレンジング剤での洗顔は、それと同じことをやっているといえるのです。クレンジング剤の主な成分は食器用洗剤と同じ合成界面活性剤です。簡単に説明すると「水と油を混ぜ合わせるためにつくられた物質」です。食器についた油汚れは水だけでは落ちませんが、洗剤に含まれる合成界面活性剤の働きできれいに落とすことができます。
クレンジング剤も同様です。すべての合成界面活性剤は、たんぱく質を溶かす作用があります。洗浄力が弱かったとしても、お肌にダメージを与えているのです。皮膚が持っているバリア機能を破り、構造を壊して肌の深いところまで浸透します。皮膚は構造を壊されると水分が蒸発して乾燥します。
--保湿成分が含まれているので、乾燥を防げるのではないですか?
菅原 実は合成界面活性剤でお肌がボロボロになることを防ぐために、保湿成分を入れているだけなのです。合成界面活性剤は、体内に吸収されると肝障害や腎障害、がん、血液成分の減少、胎児の奇形を引き起こす危険性があります。また、下水へ流れた後も自然分解されにくく、河川、海、湖が汚染され、魚や微生物など生態系へも悪影響を与えると指摘されています。
--そんな恐ろしい合成界面活性剤が、なぜ使用されているのでしょうか
菅原 それは、メイクが簡単に落とせる、手軽に使えるといった利便性があるためです。裏を返せば、それは私たち消費者がクレンジング剤に便利さを求めたからでもあるのでしょう。
--「自然にもやさしい」という謳い文句の、弱酸性の洗顔フォームはどうでしょうか?
菅原 弱酸性であっても主成分は合成界面活性剤です。クレンジング剤と同様に皮膚の構造を破壊します。確かに健康な皮膚は弱酸性ですが、だからといって「弱酸性の洗顔フォームは良い」とはいえません。弱酸性に調整された合成界面活性剤が配合されている洗顔フォームはテレビCMでもよく見かけますし、多くの商品が出回っていますが、これらはすべて肌に悪影響を与えます。「アミノ酸系、植物由来でお肌にやさしい」という文言も要注意です。アミノ酸系、植物由来でも合成界面活性剤は皮膚の構造を壊します。私が推奨しているのは天然素材の石けんのみです。
--ほかに気をつけたほうがいいポイントなどはありますか?
菅原 基礎化粧品も、ほとんどがお肌に悪いものです。化粧水の主成分は水です。常温で放置した水は数日で腐って飲めなくなります。では、なぜ化粧水は開封後、何カ月も腐らないのでしょうか。それは防腐剤が添加されているからです。
細菌やカビなどの微生物の活動を抑制する防腐剤や殺菌剤は、人の細胞にも悪影響を及ぼします。もともと健康な皮膚には常在菌と呼ばれる良い菌がたくさん住んでおり、皮膚表面を弱酸性に保ち、ほかの雑菌やカビからお肌を守る働きをします。防腐剤が入った化粧品を塗ると常在菌が死に、悪い菌やカビが繁殖して肌荒れが生じるのです。
また化粧水・美容液・乳液・クリームなどの役割を1本でまかなうオールインワンゲルも危険です。スキンケアを簡単に済ませたいと思う消費者のニーズをとらえ、大人気を博していますが、その成分を見ると、水、合成ポリマー、合成界面活性剤、防腐剤などで、液体のビニールのようなものです。テープやビニールの表面は、ピンと張ってつるつるに見えます。それと同じように肌を液体のビニールで覆うことで、あたかも肌がきれいになったように感じさせるのです。しかし、実際には肌の細胞にダメージを与えています。
正しい知識を持ち、適切な努力をすれば、体は必ず応えてくれます。ストレスのない範囲で美肌になるための生活を心がけてください。
--ありがとうございました。
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─情報元:Peachyサイト様─