血を吸うのは産卵のための栄養が必要なメスだけ。人が出す炭酸ガスや皮膚のニオイ・温度を感知しているのだとか 写真:アフロ
2回目の感染は重症化!? デング熱の症状をおさらい
虫除けスプレーが売れているという。理由は明白、昨年、約70年ぶりに感染が確認された「デング熱」への備えだ。蚊といえば夏の印象だが、出始めてから駆除をしてもダメ。実は6月に行う発生防止対策が重要で、東京都では6月1日~30日までを「蚊の発生防止強化月間」と定めて啓蒙活動を行っている。そこでは、おうちでの対策も明記されていた。
昨夏の報道で、「デング熱」は蚊を媒体としてして起こる感染症であることは広く知られているが、詳細はこの1年で意外に忘れているのではないだろうか。ということで、ここで簡単におさらい。
「デング熱」のウイルスは、その名の通り「デングウイルス」。人と蚊の間で感染を繰り返し、人から人へは直接感染しない。主な媒介蚊はヒトスジシマカ(いわゆるヤブ蚊)で、数は少ないがネッタイシマカも媒介となる。
蚊によって吸血する時間が異なり、ヒトスジシマカは昼から夕方にかけて血を吸う。夜、室内で刺された人もいると思うが、それは「アカイエカ」の可能性が高い。体内でデングウイルスが増えるヒトスジシマカと違い、アカイエカの体内ではデングウイルスは増えないので、感染源になることはない。
デング熱の典型的な症状は、38~40℃の高熱や頭痛、関節痛、筋肉痛、発しんなど。人によっては耐えられないほどの痛みを伴うという。蚊に刺されてから2日~15日(多くは3~7日)の潜伏期間を経て発症するが、その割合は1~2割といわれている。
症状は1週間程度で収まるが、特別な治療法はなく、症状に応じて点滴や解熱剤を投与する対症療法でしのぐしかない。また、デング熱の原因となるウイルスは複数あり、一度感染した人間が別のウイルスに感染すると、出血傾向やショック症状が現れる「デング出血熱」になる確率が高くなるなど、重症化する可能性が高くなる。
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