2013年5月22日水曜日

狙うはシニア!秘境ツアーで囲い込め ANAが「宣伝なし」の異例なマーケティング


1ドル=103円台まで円安が進んだ日本経済。今年のゴールデンウイークは、航空機の国際線利用(旅客数)が、日本航空(JAL)で前年比1.9%減。全日本空輸(ANA)で4.2%減だった。今や旅行はすっかり国内モードだ。
だが、米同時多発テロなどのイベントリスクと違い、海外旅行がすっかり委縮した、というわけではない。むしろ多くの一般旅行者の目が国内に向く中、“こだわり”のあるトラベラーの目は、こんな時こそ海外である。しかも、単なる欧米都市やアジアのリゾート地ではなく、まだ足を踏み入れたことのない「秘境」を訪れてみたい--。
そんな需要を充たすべく、ANAグループが商品開発したのが「ワンダーアース」。2012年12月から第1弾を始動した。

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■パンフは旅行代理店に置かず、TVCMも一切なし
実はこのワンダーアース、 従来からある、旅行ビギナー向けの「ハローツアー」と違い、何十万部ものパンフレットを旅行代理店に置いたりなどしていない。ANAグループの取引先や株主、一部の上顧客にのみ、DMで送っているだけだ。ほかには顧客からクチコミで新たな客を紹介してもらう。申込者1人1人に対し専任担当者を置き、きめ細かくフォローするのもポイント。売上高は計画比20%増と好調で、第1弾・第2弾併せ、41コースを取り揃えた。
行き先の一つは、例えば「アラスカ」。8月末に出発、11日間で、価格はエコノミークラスなら80万円弱、ビジネスクラスなら110万円だ。目玉の一つは、年間240日以上発生するという、フェアバンクスでのオーロラ鑑賞である。
あるいは、「ケニア・ルワンダ」。うちルワンダでは、絶滅危惧種になったマウンテンゴリラを保護。そのゴリラを観察するトレッキングツアーを催行した。ただし現地では環境保護のため、ゴリラを観察できるのは、午前中の最大1時間に制限されている。薮の中を歩くため、肌の露出は厳禁のうえ、足首を保護するトレッキングブーツが必須なのだが、それでも人気は上々という。
 
 他にも、ボリビアにある世界最大の塩湖「ウユニ塩湖」、チャータークルーズで巡るエクアドルの「ガラパゴス諸島」などもある。いずれも、「ハローツアー」より平均10万~20万円高いが、中には完売し、キャンセル待ちのツアーすらあるという。
「旅慣れた方からは『こういうのを待ってた』と言われる。ルワンダでは、『ゴリラをこんな間近で見られるんだ』、と。ブランドを認知してもらうため、マスでの宣伝も考えたが、やめて、特化した商品にした」(ANAセールス)。

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http://news.livedoor.com/article/detail/7689018/
─情報元:東洋経済オンラインサイト様─