2013年12月4日水曜日

就活中の子にとってNGな親の行動

平成27年卒業予定者の就職活動が12月1日、解禁された。

 リーマン・ショック(20年)以降、経済状況の悪化から子供の就職への保護者の関心が高まっている。保護者は就活中の子供にどう接すればいいのだろうか。(油原聡子)

 明治大学の就職キャリア支援部の高瀬功・就職キャリア支援事務長は「リーマン・ショックを機に、保護者の就職活動への関心は高まってきました」と明かす。同大では保護者を対象とした就職の説明会を全国で開催。夫婦で来場するケースもあり、一部の会場では1家族1人と制限しているほどだ。

 ベネッセ教育研究開発センターの大学生の保護者に関する調査(24年)によると、「卒業後にすぐ就職できるかどうか心配」と答えた保護者は、1年生で38・6%だが、2年生で48・4%。3年生で58・6%、4年生では59・7%に上った。

 保護者が子供の心配をするのは当然だが、就職して仕事をするのは子供自身。高瀬さんは「就職活動をした学生からは『保護者が信頼して任せてくれ、やりやすかった』という声が多い。さりげなく後方支援をして心の支えになってほしい」と話す。

 ◆求めがあれば

 リクナビの岡崎仁美編集長は「就活中の子供に対しては指示ではなく、支援を心掛けてほしい」と話す。

 就活中の子供に対して、やってはいけないのが、(1)押し付け(2)過保護(3)無関心-だ。岡崎編集長は「『見守っていてほしいが無視はしないでほしい』というのが多くの学生の気持ち。学生側から求めがあれば応じてあげればいい」と話す。

 ただ、「◯◯さんは内定が出たのに」などと他の人と比べる▽業種や職種についてうるさく言う▽「◯◯をやりなさい」などと命令する-ことは子供を追い込むことになるので注意が必要だ。

 就職活動は長期間に及ぶ。12月から就活サイトがオープンし、企業の説明会がスタート。その後、エントリーシートの受け付けや企業セミナーが行われ、4月からは面接が始まる。内々定も出始めるが、試験の時期は業界や企業規模によって異なるため、一概に比べることはできない。保護者の時代の就活とは活動の時期も状況も違うことを理解しておく。

 ◆経済的に

 子供にできる支援で大きいのが経済的な支援だ。就活にはお金がかかる。スーツやかばんなど初期投資に加え、交通費や食費などもかかる。

 就活が本格化する前なら就活の話題でも子供に受け入れられやすい。岡崎編集長は「礼儀作法や言葉遣いなどのマナーは家庭で教えられる。就活が本格化する前、日頃から仕事の話をしたり、ニュースを見て感想を言い合ったりすれば就活につながる力になるはず」。知らない人や社会人と話す機会をつくってやることもいいという。

 ■「子供が成長する機会」

「『親活』の非ススメ」などの著者で法政大キャリアデザイン学部の児美川孝一郎教授の話「中学受験で子供が成功した場合、その延長と考えてしまう保護者もいるが、受験と就職活動は違う。今の就職活動には問題点も指摘されているが、社会の仕組みや現実を知り、挫折を経験し、成長する機会でもある。厳しい就活は若者にとって、成長のための通過儀礼になるのも確か。保護者の関与は子供が成長する機会を奪ってしまうことになる」

http://news.livedoor.com/article/detail/8306021/
─情報元:ライブドアニュースサイト様─