2014年3月22日土曜日

月平均の2倍線量 福島「放射能上昇」警告メールの異常事態

福島原発事故から丸3年、収束どころか“新たな危機″が発生している。福島県の広範囲で平時の2倍の放射線量が観測され、大騒ぎになっているのだ。

 発端は、民間の流通販売業「ホワイトフード」が今月16日に発信した「放射能速報メール」。

 ホワイトフードは、原子力規制庁が全国に設置した3931カ所のモニタリング・ポストのデータを、独自に集積している。モニタリング・ポストの空間線量数値が、過去30日平均の2倍かつ毎時0.2マイクロシーベルト以上の拠点が5カ所を超えた場合に警告メールが届く仕組みである。ホワイトフードの森啓太郎社長がこう言う。

「昨年11月、福島原発4号機の燃料棒取り出しがスタートしたのに伴いサービスを開始しました。イザというときに備え、無料公開しています。16日に福島県内10カ所の観測点で過去30日平均の2倍近い線量が、30カ所以上で1.5倍以上の線量が観測されました」

■核燃料プールの水温が急上昇

 ネットでは先月末から3号機の核燃料プールの水温が急上昇していることと関係があるのでは、と指摘されている。

 確かに先月26日には、水温は8.7度だったのに、17日は21.6度まで上昇(いずれも午前11時現在)している。なんだか不気味だ。東電に聞くと「寒い時季にプールが凍結した場合に備え、先月26日から3月18日の間、ファンのみの冷却を試みているためでしょう。水温が65度以上にならないよう調整した上なので問題ない。周辺の放射線量も普段と変化はないものとみている」(広報担当)という。

 一体、放射線量の急上昇はなにが影響しているのか。元立教大学理学部教授の佐々木研一氏(放射能に関わる無機・放射化学)が言う。

「この3年間の3月の値を比較していないので正確なことは分かりませんが、最も可能性が高いのは雪解けによるものです。福島ではまだ一部積雪があり、徐々に解けて地面からの放射線がモニタリングに反映されやすくなったのでしょう。雪は放射能を遮蔽しますが、解けた時に地表の放射性物質を広範囲に広げてしまう。それにしても、2倍の値は大きい。詳細を解明すべきですね」

 福島原発で異常が発生している可能性はないのか。まだまだ不安である。

http://gendai.net/articles/view/life/148797
─情報元:日刊ゲンダイサイト様─