他の惑星で生命を探索する際に、地球の微生物でそこを汚染してしまうという事態は悪夢のシナリオの一つだ。そこでNASAは、地球の微生物が宇宙船に紛れて火星に辿り着き、火星表面で生存する可能性があるのかどうか確かめるため微生物を約37kmの上空に晒してみる実験を開始した。
2015年9月26日、米ニューメキシコ州フォートサムナーにあるNASAコロンビア科学観測気球機関(CSBF)から、ヘリウムを充填した気球が宇宙の境界ヘ向けて飛ばされた。乗客は微生物である。
微生物は容器に詰められ、地球の成層圏を上昇するまでは密封された状態だ。気球が目的の高度まで到達すると容器は開放され、6時間、12時間、18時間、24時間というあらかじめ決められた時間だけ、微生物を外部に暴露させる。実験が終了すると、気球は爆破され、実験装置はパラシュートで地球に帰還する。
地球の上部成層圏は極めて過酷な環境だ。氷点下を遥かに下回り、絶対乾燥かつ真空である。紫外線にも容赦なく晒される。要するに、火星の表面に似ているのだ。そのような環境で生存できる生命がいるとは思えないが、一部の虫は砂塵嵐や台風によって成層圏まで吹き上げられても生きていることが確認されている。
さらに驚くべきは、国際宇宙ステーションでの最近の実験で、休眠状態の細菌、真菌胞子、あるいは植物の種までが、強烈な紫外線から保護されていれば宇宙船外でも生きられることが判明している。
生命のしぶとさを鑑みれば、地球の外にある惑星を汚染する可能性について研究し、理解を進めておくべきだろう。
火星の他にも、NASAは最近木星の第2衛星エウロパの調査を発表しており、さらにその先には土星の氷の衛星エンケラドゥスにまで探査機が送り込まれる可能性すらある。どのミッションでも生命の発見が期待される。
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─情報元:カラパイアサイト様─